虹色アゲハ
カラスアゲハ
そんな中、とうとう久保井が動き出した。

揚羽がいつものように、2人のやり取りを盗聴していると。

『あのね仁希、お金どうにかなるかもしれないっ』

お金っ?
いつの間に…

恐らく、ピロートークで無心したのだろう。
さらに、続いた会話によると…
お金の工面方法も、久保井のアドバイスによるものらしかった。

それは、一括で支払っている学資保険を解約するといった内容で…

バカじゃないの!
大事な子供のためのお金に手を付ける柑愛と、それを狙う久保井に怒りが込み上げる。


すぐにでも阻止したいところだったが…
さすがに今それを伝えるのは、盗聴を勘づかれる可能性が高いため。

揚羽は次の日、柑愛に電話する事にした。




「実はね、大事な話があるんだけど…
落ち着いて聞いてね?
あの久保井仁希は、結婚詐欺師よ」

『は?
なに言ってるんですか?
どんな勘違いか知りませんけど、違いますから』

「間違いないわ。
私の親友が被害に遭ったの。
本当は、久保井がその犯人かどうか確かめたくて、柑愛ちゃんに連絡先を訊いてたんだけど…
教えてくれなかったから、確信するのに時間がかかったの」
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