虹色アゲハ
ケンカに明け暮れて、散々修羅場をくぐって来た倫太郎は…
自分の今の状態が、ヤバいのを察していて。

もしこのまま死んだら…
望にとって重大な真実が、永遠に闇に葬られてしまうと。
仁希からの口止めを破ってでも、言わずにはいられなかったのだ。


望は、どうにもならない状況に…
ボロボロ涙が零れ出し。

「じゃあ、止血だけさせてっ」
そう思いついて。

足の付け根が効くんじゃないかと、そこを片手で強く押し始めた。


「…その代わり、ちゃんと聞けよ?」

そう言って倫太郎は、今までの事を思い返した。


ーーー
ーー


「なんで俺を?」

「まぁ決め手は、何でもするから女助けろって喚いてた事かな。
黙れってボコボコにされても、全然引き下がんなかったし…
頭悪いけど根性あんな〜って」

「っせーな、俺が巻き込んだんだから当然だろ」

「そういう義理堅いとこもだよ。
あと、めちゃくちゃ喧嘩強いんだってな?
お前の事は色々調べさせてもらったよ。
誰も信用しない一匹狼だから、情報が漏れるのも最小限に防げるし。
なりより、女っていう人質がいるし?」

「どういう意味だよ」
仁希を睨む倫太郎。
< 234 / 268 >

この作品をシェア

pagetop