虹色アゲハ
そうして…
付き合った女詐欺師を食い物にして、味をしめたのを装い。
同様の手口で、全国の女詐欺師を付け狙い。
それで得た利益の一部を上納すると。

それを数年繰り返し…
組織の疑いが弱まったところで、ようやく望への計画に着手したのだった。


それでも不意打ちで監視が入るため、油断は出来ず。
柑愛を隠れ蓑としても利用したのだが…

勝負という回収方法に、不満をぶつける倫太郎。


「そんなやり方で回収するくらいなら、誤解といて足洗わせろよ!」

「たとえ足を洗っても!
手を汚してる罪までは洗えない。
情報は操作出来るし揉み消せるけど、被害者の憎しみは操作出来るもんじゃないし消せないんだ。
だから誰かが背負わなきゃいけないし、俺のせいだから俺が背負わなきゃいけないんだよっ」

「だからって!
そんな事したらもっとアイツを追い詰めんだろっ。
人に罪押し付けるくらいなら、自首した方がずっとマシだって思うに決まってる」

「じゃあお前は、自分のせいで望が犯罪者になったとしても。
罪を犯したのは望なんだから、不幸になっても自業自得だって思えるのか?」

そう言われて、何も言えなくなる倫太郎。
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