虹色アゲハ
そうして、鷹巨の出方を待ってから2週間ほどが過ぎた。

その間。
〈無理してないですか?〉
〈力になれる事があれば何でも言ってください〉
などといった労いの言葉が送られてきた以外は、何の動きもなく。

依頼者の母親の体調を危惧した揚羽は、痺れを切らし…
延期していた作戦を練り直していた。


すると、倫太郎に呼び出され…
すぐにその家に駆け付けると。

「この前の作戦は中止だ」

「は?
どういう事?」

その問いに、驚くべき事実が明かされた。

なんと、今回の依頼は罠だという。


倫太郎はこの2週間、まずは鷹巨を張っていて…
ある女との接触を捉えたのだ。

そこで今度はその女を張って、交流関係を調べると…
障害者の男と1人のヤクザが浮かび上がった。


障害者の男は、その女の兄で…
揚羽が単独の頃、美人局で陥れた男だった。

それにより、薬物の購入代金が払えなくなった男は…
売人たちのリンチにあい、障害者になったようだ。

他に身寄りもなく、ずっと兄妹で詐欺をして生計を立てていたようだが…
今は妹であるその女が、詐欺の傍ら面倒を看ているとの事だった。
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