ステラ✩アリエ

「っ!!」

ミライに言われたとおり伏せた後に聞こえたのは、何かが皮膚をかする音。
急いで顔をあげると、ミライの腕に刃物で切られたような傷ができていた。
足元には、先のとがった矢が落ちている。

もしかして、これがミライの腕に…!
誰がっ!!

「へぇ〜結構やるじゃん。殺されそうになった女の子を助けるなんて。」

私達の上から声が聞こえた。
ワイン色のマントをたなびかせる男は、石垣の上から見下ろしていた。

「くっ……なんで…俺たちを…!」
「お〜っと、急に動かない方がいいと思うよ〜。」

男は、まるで獲物を見つけた蛇のように、目をギラギラさせている。

「うっ……。」
「ほら〜。急に動くから〜。
その矢にはね、ボクの使い魔のコブラ♂の猛毒がたーっぷり塗ってあるんだ〜。だーかーら、急に動かない方が身のためだと思うよ〜。」

ミライは、苦しそうに顔をしかめている。

回復魔法……
使えば、ミライが助かる!

私は、男の目を縫って、動こうとすると、

ヒュンッ


< 19 / 48 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop