貴方の彼女になれますか

[おめでとう!]

次の日、佐々木に報告すれば自分の事のように喜んでくれた。

[で、翔は?]
「え?」
[付き合った次の日は一緒に来るでしょ、普通]
「そうなの?」

泣いて電話したり、相談に乗ってもらった佐々木にはまず報告したくて、少しだけ早く来た今日。
一緒に行く約束なんてしてないしなぁ?なんて思っていると、これまた拗ねた顔の彼氏様が。

[おはよー翔!]

挨拶をする佐々木の方は見向きもせず、真っ直ぐに私に向かってくる。

『なんで先行くの』
「え?約束とか、してたっけ、」
『してないけど!いつも乗ってるのだと思うじゃん』
「えっと、ごめん?」
『なんで疑問形なの』

溜息をつきながら隣に座る。

「あの、ごめん…」
『俺、佐々木にも嫉妬するからね』
「えっ、」
『でも…佐々木だから、許す』

佐々木に聞こえないくらいで、私に言った翔がなんだか可愛く見えて笑ってしまうと、『俺、真面目に言ってるんだけど』なんて。

[…なんか、俺、邪魔?]
「邪魔じゃな『邪魔』っかける!」
[えー!やだ寂しいー!]

俺友達いなくなっちゃう…なんてブツブツ言い始める佐々木を横目に授業の準備を始めた彼氏様。

『帰りは先帰ったら許さねーから』
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