俺様専務に目をつけられました。
【お待たせいたしました。東郷商事海外事業部でございます。】

【Hello.This is Mark,calling from Fest company.】

いきなり英語だ。でも英語で良かった他の言語なら困ったが英語なら何とか。

【Thank you for calling. Mikuri speaking. How can I help you?】

【Is Mr.Oue there?】

【Yes. Could you hold for a moment,please?】

通話を保留にした。ふーっと一息入れた。

「大植さん、フェスト社のマークさんから一番外線です。」

「ありがと。」

引継ぎが終わりもう一度ふーっと一息入れる。すると『まあ合格点だな。』と言い専務は部屋を出て行った。

なんなの!あの上から目線!確かに私からしたら雲の上の人だけど!ムキ―!!

ムカムカと腹を立てながら作業に戻ろうとすると隣から飯田君が声をかけてくれた。

「三栗、初めての電話やのに凄いな。俺なんか初めての時ムッチャしどろもどろやったで。」

「いやいや、私も今ドキドキしたままよ。専務に試されたみたいで腹立ったから緊張も中和されたけど。」

「ははは。確かにこんなけ人いんのに、三栗を指名?って思ったわ。」

「ホントに。」

その後も何度か専務は海外事業部にやって来ては私の仕事の進み具合をチェックして行く。同じく助っ人に来ている佐伯さんのチェックはせずに。

確かに私は新人ですよ!だからってそんなにチェック入れなくてもよくない?ちゃんと飯田君に佐々木課長が見てくれてるのに!それに専務が来る度に佐伯さんに睨まれるんですけど!佐伯さんにも声かけなさいよ!

やっと定時になりちょうど頼まれていた仕事も終わった私は、総務課にやっと戻れるとホッとしていた。

「三栗ちゃん、明日もよろしく。」

「えっ?今日だけじゃないんですか?」

一気に天国から地獄に落とされた気分だ。

「うーん、欠勤の人達に確認したら明日もムリそうで。まあ明日と土日あったら治るやろ。だから明日もよろしく。あっ、元木課長には伝えてあるから明日は直でこっち来てな。じゃっ、お疲れさん。」

ってさわやかに田上部長は去って行った。机に突っ伏し力が抜け動けぬ私に飯田君が『大丈夫か?俺は三栗と明日も仕事できるから嬉しいけど。』と励ましの言葉をくれた。

疲れた・・・。まだもう一日あるのか・・・。
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