俺様専務に目をつけられました。
絶対に後から呼び出しを食らうと思っていたのに、予想に反して何の呼び出しも無いまま定時を過ぎた。

でも昼間に専務室から逃げるように出てきたので直接会えば絶対に何か言われ、面倒くさい事になりそうだと思い、何もしていないのにコソコソと隠れるように一階ロビーまで降りて来た。

「三栗!」

名前を後ろから呼ばれ思わずビクッと体が跳ね上がった。

「何かめっちゃビクッてなってたけど大丈夫か?」

声の主は飯田君だった。

「大丈夫、ちょっと考え事してたからビックリしただけ。飯田君も今帰り?」

「ああ。・・・三栗、今日ヒマ?飯食ってかん?」

六時過ぎか、母はもう夕飯の準備を済ませてるかな?
少し迷ったが気晴らしをしたい気分でもあったので食事をして帰る事にした。

その様子を後から降りて来た専務が見ていたことも知らずに、私は久々の友人との食事に浮かれていた。
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