俺様専務に目をつけられました。
専務の話は本当に私が知らないことが多かった。

年明け早々には佐伯さんとの縁談話を社長が持ちかけてきたこと。
その後も断り続けたが、娘の嘘を完全に信じ切っていた佐伯物産社長がノリノリで、フェアの事で忙しくしていた専務の知らない所で話が進んでいたこと。

「あの日はごめん。パーティーで婚約発表をすると言われて、破棄にはしないって言われてイラついてた。晴香にもずっと会えないままだったし。そんな時、晴香を見つけて自分の感情をぶつけるように抱いて、晴香に見限られるんじゃないかってビビッて逃げた。でも晴香と別れるなんて考えられなくて、問題を解決してから会いに行こうって勝手に決め込んでた。」

『ごめん』あの日、言われた謝罪が別れを意味するものでなかったと知り涙が溢れてきた。

「どうして、ここにいるって分かったんですか?」

「晴香が休んでると知って家に行ったんだ。スマホも繋がらないし。そしてらお父さんがものすごく怒ってて会わせてくれなくて、それでも心配で毎日通ってたら茂三さんが話を聞いてくれた。晴香の身に起こってることを聞いて自分が情けなかった。お父さんにも言われたんだ、晴香を迎えに行きたかったら、ちゃんと問題を解決して来いって。でないと晴香には会わせられないって。」

こうやって私に会いに来てくれた、父も会う事を認めたと言う事は佐伯さんとの話は無くなったのだろうか。

「親父も直前で俺の気持ちを分かってくれたらしく婚約発表もしてない。昨日のパーティーの後でちゃんと佐伯社長とも話を付けてきた。今朝もここに来る前に実家によって『晴香を迎えに行って来る』って伝えたら親父が『三栗さんに申し訳ない事をした』って言ってたぞ。」

ホントに?本当にまた専務と一緒にいていいのだろうか。
専務はまだこのお腹に赤ちゃんがいる事を知らない。それでも一緒にいてくれる?
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