俺様専務に目をつけられました。

19.

仕事に復帰した私は体調不良も起こす事無く十月一日の産休に入るまで仕事を続けた。
最初の頃は自社の専務の奥さんと言う事もあって、みんな私の対応に困っていたみたいだが、復帰一か月ほどで今までのように『三栗ちゃん』と特別扱い無しで接してくれるようになった。

安定期までは公言しなかった妊娠も勘のいい女性社員によってバレた。

私生活の方では相変わらず忙しい専務、土日のどちらかは絶対休みにしているがいない日も多い。そんな日はお義母さんが食事やショッピングに連れ出してくれる。最初に『楽しみー』と言っていただけにホントに頻繁に・・・。さすがの頻度の多さに平日仕事もしている私の体調を心配した専務が『二回に一回は我慢しろ!』と怒ったほど。


そして私も一つ頑張った事がある。それは・・・



一人でエレベーターに乗る事!!



毎回申し訳ないが一人の時はコンシェルジュさんに同行をお願いしていたのだが、めっきり心配性になった専務が

「家を買い替えよう!エレベーターなしの一軒家に!」

と言い出した。一軒家に住むなら少し離れた場所に引っ越す事になる。確かに子供が大きくなった時はこんな都心の真ん中よりいいと思うので引っ越すことも考えるが、私のエレベーター恐怖症のためだけに!?ここだって買って二年と経ってない、もったいない。

だから頑張りました!

実際、子供が生まれて何かあった時、一人で乗れないのも困るしね。母の力って凄いね、決意して二週間後には克服しましたよ!
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