夢の言葉と約束の翼(下)【夢の言葉続編⑦】
もう隠す必要はない。
堂々と、彼女と一緒に居られる。
「っわ……!」
「アカリ。愛してる」
手を引いて、引き寄せられて腕の中に倒れ込む彼女を俺はギュッと抱き締めて言った。
周りから上がる拍手と、俺達を祝福する声。
空の上に居る大切な人達にも届いているだろうか?
俺達の笑顔が、見えているだろうか?
ーーきっと、見ていてくれてるよな?
恥ずかしがる彼女を腕に閉じ込めたまま見上げると、雲一つない青空が広がっていて、一羽の白い鳥が飛んでいた。
そしてその鳥は、真っ直ぐ砂浜の方に向かって行く。
「……。みんな、悪りぃ」
「!っきゃ、あ……?!」
「少しだけアカリと二人っきりにさせてくれ!」
「ちょ、っ……ヴァロン?!」
俺の言葉に「はいはい」「ごゆっくり〜」と言いながら手を振ってくれるみんなを背に、俺はお姫様抱っこされて驚くアカリを連れてある場所を目指して歩き出した。