Karma

「あった。3月22日の夜。仮面をつけた男達が、音音ちゃんの死体を西校舎に運んでる…」


祐希は頭に流れ込む映像を、必死に読み取ろうとしている様子だ。


「ここは、美術室? いや、その隣……分かった。喰喰の絵があるところだ。それから……え、隠し扉? 地下へ続いてる……あ、映像がきれちゃう。でも、分かったかも…」


祐希は鼻血を出し、私に倒れかかる。


「大丈夫!?」


祐希の血をハンカチでおさえる。


「美術室の隣にある空き教室だ。喰喰をモデルにした絵、“Karma”があるとこ。そこに地下へ続く隠し扉があるんだよ。生け贄はそこに運ばれた…」


祐希の回復を待って、私達は空き教室へ向かう。
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