諦めて結婚いたしましょう~一途な御曹司の抑えられない独占欲~
「この状況でネックレスを気遣えるなんて、随分余裕になったんだな。だいたいあれは有家が――」

 額に青筋を張りながら話すさなかに、俺は静菜が嬉しそうに笑っているのに気がついた。

「なんだ」

 俺が堪えきれず訊ねると、静菜は「ごめんなさい」と笑みを噛み殺しつつ答える。しかし、隠しきれない喜びを顔中に湛えた彼女が、さらに言葉を続けた。

「でも、今思えばこれが証拠だなって思って」

「証拠?」

「はい。これが、理人さんがずっと私を大切に想ってくれていた証です」

 そう告げた静菜は、外したネックレスを大事そうにサイドテーブルに置いた。

 ある種の予感が俺の脳裏を掠める。

 ……有家。あいつ、余計なことを喋ったな。
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