諦めて結婚いたしましょう~一途な御曹司の抑えられない独占欲~
 しかし、自分の結果が直接家や会社に結びついてしまう。私ができなければ、父たちまでも引き合いに出されてしまうのか。

 自分を通して背後にある違うものを見られている感覚に、なんともやるせない心持ちになったのを今でもはっきりと覚えていた。

『古城のひとり娘として』

 ずっと私を律するためのものだと思っていたあの言葉は、私に心構えをさせるために使われていたのだと、そのとき初めて気がついた。

 その日から私は、何事も人並み以上にできるように努力するようになった。

 お稽古事の合間を縫って、その日学校で習った内容の復習、予習も欠かさなかったし、苦手だった長距離走は、毎日早朝に家の周りを走って少しずつタイムを縮めていった。

 秀でた才能はなくとも、目標をクリアするまで諦めない。それだけは得意だった。
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