諦めて結婚いたしましょう~一途な御曹司の抑えられない独占欲~

 仕事を終え、家に帰り夕食とお風呂を済ませた私は、自室のベッドに腰掛けてスマートフォンの画面をタップする。

 電話帳に登録した【理人さん】のページをぼんやりと眺めていた。

 今日お昼に美鶴と色々話してから、余計に理人さんが恋しくなっていた。

 少しでもいいから声が聞きたいな。

 意を決した私は、発信と書かれた電話マークをタップする。

 出てくれないかもしれないけれど。そう思うのに、わずかにくぐもったコール音が鳴り始めると、身体の中に異様な緊張が満ち溢れる。

 すると、突如コール音がぷつっと切れた。

『もしもし』

 理人さんの低くはっきりとした声が耳に伝わってくる。
< 36 / 199 >

この作品をシェア

pagetop