諦めて結婚いたしましょう~一途な御曹司の抑えられない独占欲~
 十五年だ。私は人生の半分以上の時間、理人さんを想ってきた。

 会っていないときもいつも彼のことばかり考えていたし、冷たくされても、私には幸せな思い出しか残っていなかった。

 深いため息をつく。すると、記憶の中のなにかと重なって、私はある出来事を思い出した。

 そうだ。私、あの日もこんな……。

 理人さんに会うときはいつも何日も前から浮かれていた私が、一度だけ気分の晴れないまま出かけたことがあった。

 それは今から約四年前。私が大学二年のクリスマスの日だった――。
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