諦めて結婚いたしましょう~一途な御曹司の抑えられない独占欲~
終業後、私はビジネス街から少し離れたいつもの歩道で理人さんを待っていた。
――理人さんに改めて想いを伝えたあの日から、約一か月。以前までとは違い、理人さんは予定が会えば会ってくれるようになった。
週に一度や二度、仕事終わりに食事に行くくらいだが、こうして頻繁に理人さんの顔を見られるなんて未だに信じられない。
この一か月でもう五回。間にあったクリスマスにも、いつも通り会社の近くで待ち合わせてから、隣の県にあるフラワーパークにイルミネーションを観に行った。
ついこの間まで年に数回しか会えなかったのにな。
理人さんと会った日や、電話した日の記念にスマートフォンのカレンダーにつけていたハートのスタンプが一気に増えていくのを眺め、多幸感につい口もとが綻ぶ。