嘘恋のち真実愛
「おめでとう! いやー、うちの店がふたりを繋いだかと思うと、感慨深くなるね。まじでうれしいな。うんうん、幸せになってよ」

「ありがとうございます」


自分のことのように喜んでくれる店長に、私たちは照れながら微笑んだ。人に祝福してもらえるのは、素直にうれしい。

このカフェが繋いだか……あながち間違いではないけれど、きっかけになっただけに過ぎないような……小さな疑問は心に留めておく。


「幸せな人を見ると、俺も幸せになれるような気がするんだよねー。うんうん、いいこと、いいこと」

「なにか良いことでも、ありましたか?」


いつになく締まりのない顔をしているから、聞いてみた。幸せになれそうな出来事があったのかもしれない。

店長は、さらに破顔して、私たちを交互に見る。


「もしかして、俺も幸せそうに見える?」

「えっ? あー、うん。浮かれているように見える」


征巳さんが複雑そうな表情で答える横で、私は同意の頷きをした。

そうそう、浮かれているよ。新婚の私たち以上に……。
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