嘘恋のち真実愛
口に含んだばかりのコーヒーを思わず吹き出しそうになった。

ナポリタンを運んでから、聞く内容がなぜそれなの?

突拍子もない質問に、部長も驚いたようで目を点にしていた。


「唐突な質問ですね……」

「いやー、気になるんだよ。教えてくれない?」


私は、横目でふたりを見た。店長はニヤニヤしていて、部長はうんざりした顔をしている。

答えに困っているようだけど……どう答えるのか興味はある。


「良い感じだと思いますよ」

「へー、そうなの? でも、今はお互い知らん顔? なんで?」


店長、うざい……。

部長がナポリタンをフォークに巻き付けていると、私のドリアを市原くんが運んできた。市原くんは変わらず穏やかな笑顔で置くが、チラッと横のふたりに視線を向ける。

市原くんも気になっている様子。


「なんでかというと、今は必要としていないからです」


部長は平然と返して、ナポリタンを口に入れた。

そうそう、今は必要ないから知らんぷり。それでいいと心の中で、うんうんと同意する。

初めて部長と気持ちが通じあったようだ。
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