俺から逃げられると思うなよ
「スーパー、寄っていこう?」

「え?」

「晩ご飯の材料買わなくちゃっ! 2人が待ってるよー」



千秋くんの手を離す私。



「スーパーまで競争だからね! 負けたほうが荷物持ち!」



スタートの合図もしないで私は走った。


後ろで千秋くんの声が聞こえるけど、今は振り向いていられない。

振り向いてしまったら、全て崩れてしまうような気がして。

過去を振り払うように、私は全力で走った。




スーパーに着いたときは2人して汗だく。

結局同時にゴールしたので、荷物は半分ずつ持つことになった。


走ったおかげか、少しすっきりした表情の私たち。

お喋りをしながら家に帰る。
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