凌玖先輩から逃れられない
「完璧で紳士な王子様だってお前は安心してるみたいだから言っておく」
いつもの王子様みたいな笑顔はどこかに行って、黒い瞳がギラギラしている。
「俺は独占欲が強い。沙耶が茂田やアイツに笑ってる姿を想像するだけで嫉妬で狂いそうだ」
「……っ」
「お前の笑ってる顔を見れるのは俺だけでいいと常日頃思っている」
そう言えば首筋にキスを落とし、くっきりと紅い痕を残す。
痛いくらい鼓動が鳴り、胸が苦しくなる。
「俺はお前が考えているような奴じゃない」
その視線は逸らされることなく、わたしを捉える。
「残念だったな」
フッ、と余裕のある笑みを浮かべて、とうとうわたしの心臓が壊れてしまう。
さっきまで切羽詰まった顔してたのに……っ
先輩の変化に目が離せなくて、わたしは心をわしづかみされる。