凌玖先輩から逃れられない

そんなわたしのことを考慮してくれた会長は「話を聞いてくれてありがとう」と校舎に戻っていった。


会長がいなくなってもなお、わたしはしばらく動けなかった。



「これって夢……痛い」


夢見心地で頰を引っ張ると痛くて、これは現実だと思い知らせる。



「……」


あれ、なんか大事なこと言っていたような……?


『初めましても同然だからな』


まるで会って話したことがあると言ったような口ぶり。


これってもしかして……

わたし、会長と会ったこと忘れてたりしますか?





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