boys in girl

溜め込まないで。

夜、私の部屋で、爽と2人きり。


今、デートの計画を立てています!


「みこはどこか行きたいところある?」


「ん〜、水族館とか行きたいかな。」


「水族館か。みこらしい場所だな。」


「実はあんまり行ったことないんだよね。お母さんに迷惑かけたくなかったから。」


「みこのお母さんって、どんな人?」


「温かくて、強くて、笑顔が絶えない素敵なお母さんだったよ。」


「そっか。会ってみたいな〜。」


「・・・それは無理だね。」


「なんで?ちょっとワケありなの?」


これ、言ってなかった・・・。


と言うより、他のみんなにも言ってない。


爽には言っといた方がいいよね。


「あのね・・・私のお母さんね・・・。」


「うん。」


「去年、亡くなったんだ・・・。」


「・・・・・・え?」


「交通事故が原因だった。」


「みこ・・・。」


「だから、もう二度と会えないんだ。」


「そっか・・・。辛かっただろ?ここまで来るの。」


「そりゃあ、しんどかったよ?正直、泣いてばっかりだったもん。」


「それでも、今ここで生きてる。俺はそれが嬉しい。」


「爽・・・。」


「辛かったでしょ?俺の前では泣きたかったら泣けばいいよ。溜め込むのはもっと辛いから、ね?」


「うん・・・。ありがと・・・。」


「ほら、涙目になってる。どうせ奏音の前では泣かなかったんでしょ。」


「泣けないよ・・・奏音だって苦しいのに・・・。」


「みこ、辛いときは辛いって正直に言いなよ。こうやって誰かを頼るのも大切だから。」


「わかった・・・。」


「俺の前では我慢しなくていいから。悲しいならちゃんと泣きなよ。」


「ふっ・・・うー・・・。」

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