インスピレーションを信じて

悠香は 引越しの後 いきなり俊樹に 告白された。


悠香から 電話で聞いた時

「あの部屋 方位が良かったんじゃない。家具の配置とか。」

私は 古風なことを 言ってしまう。


「礼奈 どうしたの。お母さんみたいなこと言って。」

と悠香は 笑った。


しばらく 悠香のノロケを聞いて

「ねぇ。本当に 務に会わせてよ。俊樹に頼んでみて。」

私は 真剣に 悠香に言った。


務に会ってから 誰とも 付き合ってない私。


務の思い出を 塗り替えることが できないでいたから。


「そうだね。俊樹に言ってみるね。私も 務君に 会いたいし。」

と悠香は 余裕の声で 答えた。


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