俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~
やっと出てきた言葉に気付いたのか、なずなは振り返って手を振る。


「おう!また明日!」


ニッと笑って、車に乗り込む。

やがてエンジンがかかり、発進した。

それを手を振って見送る。


《また明日》


そのさりげない一言に、胸を熱くさせながら。

俺達の明日を、期待して。

車が見えなくなるまで、ずっと見送っていた。



また、明日。



…この一言が、今の俺にはどんなに貴重な言葉か。







あの住み込み警護の件が終わって、普通の生活に戻った。



…だけど、始まってしまった事もあって。



俺が、陰陽師な彼女に恋に落ちて。

それを追いかけるという…。



気付いたら、始まっていた。



…最初はすごく嫌だったんだぞ?



ギャルならではなのか、デリカシーのない質問、発言。

事ある毎に、イケメンまつ毛お坊っちゃまだの、イジってくるし。



だけど、一緒にいるうちに打ち解けてきて。

夜な夜な本音で語り尽くして、いとも簡単に心を開いてしまった。

それはきっと、本当のなずなの人柄ってやつなんだろう。

くだらないことを言い合って笑ったり、一緒にテレビを見たり。

二人でいる時間、本当に楽しかった。

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