俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~
すると、チカはまたしても怪しく笑い出す。

その笑いのままスマホをいじっていた。



「それそれ。さっき言ってたこの面白い動画よー?」



さっき言ってた面白い動画?

…あぁ、さっきの話の?



「ほれ。これだ…くくっ」

「どれ」



何の心構えもなく、無防備にその画面を覗く。

だが、そこはちょっとした事件だった。




(…何っ!)



その画面の中の有り様に、ザワザワッとさせられる。

再生されたその動画は、爽やかな朝っぱらにふさわしくない音声が漏れていた。

…いや、映像もヤバい!



そこには、裸で絡み合う男女に。

ガバッと股を開いている女性の叫び声のような喘ぎ声。



『…あっ…ああっ!…い、イッちゃうぅーっ!…』

『気持ちいい?イッていいよ?』



ザ・AV…!

イッていいよ?…じゃねえしっっ!!



「…ち、チカ!朝っぱらからこんなとこで!」

「ははーっ。よく見てみ?このAV女優、なずぽよそっくりじゃね?」



…何っ!



(………)



ザワザワと焦りながらも、周りを見渡して気を遣いながらも、画面に顔を近付ける。


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