俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~
「…あらっ?!こんなところにこんな大きな傷っ!気付かなかったわ?!」
「それもそのはず。この傷は新しいよ。たぶん12時間以内に付いたもの…」
「えぇっ!」
驚いた声をあげるおばちゃんママに、なずなは頷く。
「…この傷からは微量の障気を感じる」
障気?…って、それ。
「…でも、安心して。ミクさんのモノじゃないよ。それとはちょっと波動が違う」
「ほ、ほんと…!」
その一言で、おばちゃんママは安堵の息をつく。
安心してしまった反動か、目がうるうるとしていた。
「よかったぁぁ…ひょっとしてミクちゃんまた苦しんでるんじゃないかって…!」
「大丈夫だよ、ママ。ミクさんのせいじゃない。それは断言できる」
「ああぁぁありがとぉぉ…」
この王将真っ二つや、クマさん首チョンパは、地縛霊・ミクさんとやらのせいではなかった。
だが。
おばちゃんママは安心して、解決したみたいになっているが。
じゃあ…?
「…ミクさんとやらのせいじゃなかったら、じゃあ何なんだ?ミクさん以外のせいなんじゃないのか?」