俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~

小学生じゃあるめいし…!



少しめまいがしそうになったが。



「ぷっ…」

「な、何だよ!何で笑うんだよ!」



これが、笑わずにいられるか。

負けず嫌いも、高校生にもなってそこまで来たら、面白すぎて笑うしかないだろ。

あほ。可愛すぎるわ。

この…あほ。



「な、何だよっ!いつまでも笑いやがって!」



額を抱えて、ひーひーと大爆笑を堪えていると、袖を掴んでいた手でバシッと腕を叩かれる。

「知らん!」と、ずかずかと先を歩いて、部屋から出ていってしまった。

あ、置いてかれた!

その後を早足で追いかける。



「ごめんごめん。もう笑わねえから」

「…そうじゃない!言うのか言わねえのかどっちだ!」

「さぁ、それは…」

「言うのか?!…じゃあ、知らん!」



なずなが、俺の胸で、腕の中で泣いてたこと?

言う…ワケがない。



大魔王のように、強い女が。

小悪魔のように、人をからかって翻弄するばかりのヤツが。



涙を見せたんだぞ…?


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