あなたのそばにいさせて



 課長は、すぐに帰っていった。
 もう6時を過ぎていたから、いつもよりは遅い。
 上原さんからもらった紙袋は、カバンに入らなかったらしく、手に持っていた。

 多分、『彼女』が以前好きだったお菓子。

 今から『彼女』に渡すのかな。

 食事を作ってくれるって言ってた。

 一緒に住んでるのかな。

 『彼女』に向ける笑顔は、きっとあの微笑みとは違うんだろうな。

 どんな笑顔なんだろう。

 見てみたいと、思った。



 
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