千景くんは魔法使い


「私にもよくわからない……」

「本当か?小野寺の様子も変だっただろ」 

「あのあと貧血を起こしたから具合が悪かったんだと思う」

私はしどろもどろになりながら、なんとか真田くんを納得させようとしていた。

真田くんはまだなにかあるんじゃないかと疑っているみたいだったけれど、それ以上深く問われることはなかった。


「んで、小野寺は今どこにいんの?」

「どこって聞かれても……。そもそもずっと勘違いしてるけど私、千景くんと付き合ってないよ」

「え、マジ?」

「うん」

わざわざ訂正することではないかなと思っていたけれど、この前のようなことになったら困るし、ちゃんと誤解は解いておかなければと思っていた。
 
「じゃあ、いろいろ巻き込んで悪かったな」

真田くんはあっさりと認めて謝ってくれた。

……なんか、ものすごく意外だ。

この人の印象といえば口が悪くて上から目線で、怖いというイメージしか持っていなかったから。

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