千景くんは魔法使い
「俺、高校はサッカーの強豪高に進むつもりでいる。何人もの日本代表選手を送り出してるところだ。そこを来年受験して、また本格的にサッカーをやろうと考えてる」
「………」
「お前はどうする?ぬくぬくとサッカーを趣味でやりたいわけじゃないんだろ?」
千景くんには4年というブランクがある。もちろん真田くんにも。
けれど、なぜだろう。
まだなにも決まっていないのに、これは未来の話なのに、私にはふたりがまた同じコートでプレーしてる姿が目に浮かんでいた。
「俺も真田と同じ高校を受験する」
千景くんの決意が決まった瞬間に、背中を押すような大きな風が吹いた。
「じゃあ、目指すことが決まったな」
真田くんがニカッと笑った。
いろいろなことがあったけれど、真田くんもまた千景くんのことをずっと大切に思ってくれていたのだと思う。
ふたりは約束を交わすように握手をしていた。
さっき見た映画よりもさらに熱い友情の行方を、私も傍で見守っていけたらと願った。