ある朝、晴れた日の夢。

オレンジ色に染まった街で、私しか起きていないのかもしれない。

あの人も起きていたらいいな。そんなことを、ふと思ってしまうくらい心地よくて、夏の暑さを忘れる清々しい朝だった。


きっと、こんな風に思うのも今朝見た懐かしい夢のせい。目を閉じれば、今でも鮮明に思い出せる。



マグカップの白い底を、半透明な茶色の輪がその線を細くしたり太くしたりして揺れている。

マグカップをサッと洗って、小さな魔法瓶にコーヒーを入れた。

私は、白い半袖のTシャツとグレーのプリーツスカートを履いて、カバンを持って家を出た。

< 2 / 9 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop