闇の中の太陽

絶望の音

母が出て行ってから数日が経った夜。

私が学校の宿題をしていると、バーンという効果音がつきそうな勢いで玄関のドアが開いた。

『たっだいま〜』

母が珍しく上機嫌で帰ってきた

『おい、誰かいるのかよ』

『あぁ、12歳の娘がいるのよ』

『おい、そんなこと聞いてないぞ』

『いいじゃなぁい。大人のお勉強ってこと
で』

『それもそうだな。ギャハハ』

いつもより1トーン声の高い母と汚い笑い方
をする男が入ってきた。

多分飲んでるんだろう。

母の甘ったるい香水とアルコールとタバコの匂いが混ざったなんとも言えない 匂いが少し離れた私の部屋まで匂ってきた。

その匂いにおもわず鼻を押さえてしまった

その匂いがどんどん近づいてきて、私が少し気持ち悪くなってきた時にアルコールの匂いとタバコの匂いがモワッと香った

『美蘭、新しい父親よぉ挨拶しなさい』

必死で平然を装いながら私は答えた

『森宮美蘭です。よろしくお願いします』

口を開くだけでもう限界だった
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