転生したら極悪非道な皇帝の妻になるが実は、ただのツンデレでした!?(9/29に修正済み)

「はぁっ?貴様……自分で何を言っているのか分かっているのか?」

 あの男は、驚きながらそう言ってきた。
もちろん。そんなことは分かっている。
 だから行きたいと言っているのよ!

「えぇ。ここに嫁いでから一度も街とか出たことがないのよ!?
 皇后になるとしても外の世界を知らないのは、変じゃない?
私も街に下りてみたい。お願い!!」

 私は、必死に頼み込む。せっかくのチャンスだし竹刀を見つけたいし。
あ、それに……元に戻る情報も見つかるかもしれないわ。
 バタバタといろんな事があり過ぎて忘れかけていたが私は、この世界から抜け出す方法も探さないといけない。

 そうよ……元の世界に。
そう思っていたら心の中で何かがズキッと痛む音がした。
 何故なのか分からないため一瞬戸惑ってしまう。
するとそれを見ていたあの男は、ハァッ……とため息を吐いた。

「なら……好きにしろ。おい。馬を出してやれ」

「えっ?あ、あの……私馬に乗れない」

「はぁっ?」

驚いたように言うかお姫様って乗馬出来るものなの?
 馬車に乗るイメージが強いがどちらにしても私は、それに慣れていない。
あ、そうだわ。それなら……。

「だったら乗せてよ!あなたの馬に」

 名案とばかりに私は言った。
あの男の後ろに乗せてもらえばいいと思ったからだ。
 しかし呆れながらも乗せてもらうことになったが後ろではなく前だった。あれ……?

「あ、あの……これはさすがに恥ずかしいのだけど」

「仕方がないだろ。後ろだと不慣れな貴様だと
危ないし、もし敵が来たら守りにくい」

いやいや。そんな急に敵なんて来ないから。
 それに前だと余計に馬の振動や走る景色が怖くて私は、あの男の胸元にしがみついてしまう。
 なので余計に心臓がドキドキと高鳴ってしまい振動が聴こえそうだ。

「お、おい。あまりしがみつくな!?」

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