転生したら極悪非道な皇帝の妻になるが実は、ただのツンデレでした!?(9/29に修正済み)

「し、仕方がないでしょ!?離したら落ちちゃう」

 馬術は、元の世界にもあるが私は、一度も経験したことがないから怖い。
 馬が走るたびに身体が浮きそうになり振り落とされそうだ。

 そうならないためにも私は、あの男に必死にしがみついていた。抱き締めるように。
 あの男も離せと文句は、言うが落ちないように私を抱き締め返してくれた。
 何だか余計に心臓がドキドキと高鳴っていた。

 しばらく走っていると街が見えてきた。
そして近くの馬小屋まで行くと馬を預ける。
 私は、待たずに小走りで商店街に向かった。

うわぁ~凄い!!
嫁入りの時に街中を通ったが、二度目も感動した。
 たくさんの人だかり。商店街なのでお店もたくさんあり大変活気づいていた。
 あ、そうだ!竹刀……竹刀は、売ってないかしら?

 キョロキョロと探しているとガツッと急に腕を掴まえられた。
な、何!?慌てて振り返るとあの男だった。

「まったく……勝手にウロウロするな。
迷子になったらどうする気だ!?」

迷子って……大げさな。
 でも確かに知らない街にウロウロしていてはぐれたら私1人では帰ってこられない。
 宮殿は、遠くからでも見えるが距離もあるし……。

「ご、ごめんなさい……」

「まったく。遊びに来ているんじゃないんだぞ!?
大体お前は、警戒心が無さすぎる。それに」

 長い説教が始まりそうになった時だった。
周りがあの男が皇帝陛下だと気づいてしまった。

「あら。皇帝様じゃない!?」

「陛下様。今日は、彼女連れかい?」

 何人かの街の人があの男に声をかけてきた。
しかし恐れることも恐縮することもなく、どちらかと言えばフレンドリーに……。

「うるさい。愚民が馴れ馴れしく声をかけるな」

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