転生したら極悪非道な皇帝の妻になるが実は、ただのツンデレでした!?(9/29に修正済み)
「あ、やっぱり。ユリア様。今すぐに陛下を連れて戻って下さい。
陛下は、猫アレルギーなんです」
猫アレルギー!?
ロンの言葉に驚いてしまった。えっ?
あの男って……猫がダメなの?
「宮殿の中で飼うと陛下が触りだかるので、あえて目に触れないように隠したのでございます。
猫の毛は、陛下にはよくありませんので……」
「そ、そんなこと……へっくしゅん」
確かに。猫の近くに寄ってからあの男のくしゃみが止まらないようだ。
アレルギーは、場合に寄っては命の危険があるから大変だ。
私は、慌ててあの男の背中を押して連れ出した。
「お、俺は大丈夫だ……くしゅん」
「ほらほら。いいから、いいから」
強引に宮殿の中に押し込めたら落ち着いたようで、くしゃみをしなくなっていた。
もう……そういうことは、事前に言っておいてよ。
しかし、これで原因がハッキリした。
ロンとエレンは、恋中ではなくて、ただ猫を見つけてお互いに世話をしていただけだった。
なんだ……凄く残念だわ。
「まさか……子猫の世話だったなんて。
少しは、恋愛に発展しているのかと思って期待していたのにな」
「お、俺は……そうではないかと最初から思っていたけどな」
「嘘おっしゃい。絶対に気づいてないでしょーが」
「な、何だと!?」
またもやあの男と口喧嘩を始めてしまう。
まぁ、それはいつものことだからいいけど……。
それより結局。ロンとエレンの恋愛話は、私の早とちりと言うことで終わることになってしまった。残念……。
だが、しかし。私達は、肝心な部分を見落としていた。
2人は、確かに付き合ってはいない。
だが……まったく違う関係性があったことに。