転生したら極悪非道な皇帝の妻になるが実は、ただのツンデレでした!?(9/29に修正済み)
それだとしたら、あの男の母親……前皇后様は、この暗号を考えたってことになる。
前皇后様は、何を思ってこれを……?
「他に何が入っていたんだ?その本も見せてみろ」
「あ、うん」
私は、慌ててあの男に箱ごと渡した。
すると本を取り出してペラペラとめくったり、その包みの紙を見ていた。
真剣な表情で。何か分かったのかしら?
心配になりながらあの男を見つめる。すると深いため息を吐いた。
「本は、俺が昔読んでもらったことがある普通の本だ。
だがしかし包みの方は、何処かの部屋の間取り図だった。
しかも俺も知らない部屋の間取り図だ」
「えぇっ~!?間取り図って?
陛下が知らないって……じゃあ隠し部屋とかなの?」
「そう考えた方が自然だろうな。
広いが宮殿の中は、大体把握しているが、こんな部屋を見たことがない。
それに……この本。俺のお気に入りだったが、無くしたと思っていた。
まさかこんな形で取り戻すなんて……。
もしかしたら母が俺に見つけて欲しかったのかもしれん」
そう話したあの男は、切なそうな表情をする。
きっと本もだけど母の思い出が詰まっているのだろう。
もし……本当に息子のために残したメッセージだったら?
前皇后は……見つけてほしいのかも。その間取り図の部屋を。
そう考えたら居ても立ってもいられない。
「じゃあ陛下。探しましょう?
その隠し部屋を。お母様のためにも」
「はぁ?俺が……?」
「あなた以外誰が居るんですか?
お母様である前皇后様もそう願っているはずですよ。
そのために、その本と一緒に隠したんじゃないですか?
さぁ、早く……」
私は、そう言うとあの男の座っているところまで行き強引に腕を引いた。
見つけるなら早い方がいい。誰かに見つかる前に。
「おい。ちょっと待てって……」
私は、構わずに腕を引きながら部屋を出ようとする。
すると部屋に入ろうとしたロンにぶつかりそうになった。