転生したら極悪非道な皇帝の妻になるが実は、ただのツンデレでした!?(9/29に修正済み)

『○月○○日。曇り。
 陛下のお許しで図書室の使用を許可してもらえた。
一緒に居られるこの時間が好き。
 そんな陛下が、私にある場所に連れて行ってもらった。
 このお城にある秘密の隠し部屋。
世界を知る夢の場所。
 陛下は、私達の秘密にしようと言って下さった。
嬉しい……まるで夢を見ているようだ』

『○月○○日。晴れ。
また秘密の隠し部屋に訪れた。2人で共有する部屋。
 それだけでも十分に幸せなのに陛下は、私を好きだと言って下さった。夢のようだ。
 だが自分は、侍女でただの使用人。身体も弱い。
陛下は、エミリオン帝国の皇帝で、いずれ世界の皇帝になる方。
 きっと身分の高い女性が相応しい。私なんかでは相応しくない。
 そう思うのに……陛下の気持ちに逆らうことは、出来なかった。
私も陛下が好き。例え今後結ばれなくても……』

『○月○○日。晴れのち曇り。
 今日も秘密の隠し部屋を訪れた。帰りは、違う道で。
ダメだと思うのにあの方に会いに行ってしまう。
 陛下の抱き締められると凄く幸せに気持ちになる。
もっと一緒に居たいと思う気持ちが強くなってしまう。
 そんな私に陛下は、甘いキスをしたりたくさん愛してくれた。身体を重ねるたびに……』

 読んでいたあの男は、それ以上読むのをやめてしまう。
どうしたのよ?続きは?
 そう思いながら見るとあの男は、耳まで真っ赤になっていた。
 どうやら両親のなれそめを聞いて恥ずかしくなったようだ。

 まぁ……仕方がないわよね。
自分でも親のなれそめ聞いたら恥ずかしくなるし。
 それに聞いていて分かったのだが、どうやら
この隠し部屋があの男の両親・前皇帝と前皇后様の愛の巣だったようだ!
 この先は、読まれなくても何となく分かってきた。
もしかしてここで、お腹に宿った可能性が高いだろう。

「フフッ……もしかしてここで、前皇后様のお腹に陛下が宿ったのかもしれないわね」

「それ以上言うな。恥ずかしくなる……」

「あら、どうして?素敵じゃない?」

 私は、わざとそう言うとあの男は、さらに恥ずかしそうに顔を隠した。
 照れている……。まさか、こんな貴重な部屋であの男の両親が愛を育んでいたとは……。
驚いたが素敵だと思う。

「両親がだぞ……?しかも今、座っている場所かもしれないしれない。
 そんなの恥ずかしくて、どうしたらいいか分からん」

「あら、喜べばいいじゃない?私は、憧れるわ。
陛下と侍女だった前皇后様が、ひっそりと愛を育んでいたなんてロマンチックだわ」

「女は、好きだな……そういうの」

 あの男は、呆れたようにため息を吐いた。
だって素敵じゃない?
 身分の低かった前皇后様は、自分の力で前皇帝に惚れさせるなんて。
 しかもそれがお互い好き本だ。
まるでロマンチックな小説を読んでいる気分になった。

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