一夜の過ちで授かったら、極上御曹司に娘ごとたっぷり溺愛されています

「咲綾、こっちみて?」
「嫌で……す」
ドキドキと音を立てる自分の胸の音が煩くて、私はクルリと後ろを向くと、20cmは違う真翔さんは後ろから私の顔を覗き込む。

「咲綾」
問いかけられるようにジッと瞳を見つめられて、私は限界だった。
「ふざけないでください!」
そう叫ぶとリビングをでようと足を踏み出した。
真翔さんがふざけたおかげが、さっきまでの恐怖心がなくなっていることに気づき、相変わらずの真翔さんの優しさに、ため息が零れ落ちる。

「咲綾、絶対に犯人は捕まえる。だから大丈夫だよ。ゆっくりおやすみ」
後ろから聞こえた柔らかな声に、私は真翔さんをそっと見た。笑顔の真翔さんがそばにいてくれることが、こんなにも心強いことに気づく。
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