一夜の過ちで授かったら、極上御曹司に娘ごとたっぷり溺愛されています
「でも、蓮人さんは大丈夫ですか? あの人が社長なんて……」
そんな私に真翔さんは柔らかな笑みを浮かべる。

「ようやくあの時の兄貴の気持ちがわかるよ。咲綾と真由を手放すぐらいなら社長なんてならなくてもいい」

その言葉に嬉しくなり私は自ら真翔さんに抱き着いた。
こんな風に思っていてくれたなんて信じられなかった。

「好きです……」
呟くように言った私を、真翔さんが困ったような表情をする。

「咲綾って……もしかして天然?」
「え?」
首を傾げた私に、今度ははっきりと真翔さんの頬が赤く染まるのがわかった。

「咲綾のその表情、どれだけ可愛いか知ってる? あの夜ももちろん酒の勢いもあったけど、その表情を見たら止められなかった」
そう言いながら、照れ隠しのように真翔さんは私の目を自分の手で覆ってしまう。
「真翔さん!」
見えなくなり不安になった私に、真翔さんは柔らかくキスをする。
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