一夜の過ちで授かったら、極上御曹司に娘ごとたっぷり溺愛されています
私はため息をつきつつ、自分のお弁当に目を向けた。
昨日の夜ごはんが多めに残ったこともあり、一人で食べるには十分な量が入っている。
「あの……ご迷惑でなければ一緒に召し上がりますか?」
「本当?」
なぜか嬉しそうな表情の専務は、私のお弁当箱を覗き込んだ。
この部屋は開放感はあるが、私のデスクと本棚などしかない。
「あちらの部屋で待っていてください。お茶もいれます。でもそんなにたくさんはないですよ? やっぱり買ってきましょうか?」
「いや、買ってきたものは正直もう食べたくなくて」
苦笑しつつ言った専務に、私は小さく頷いた。
応接セットの上に私のお弁当箱と、おにぎりとお茶を置く。
「私は買ってきたものも、たまには食べたいので、気にせず召し上がってください」
「いや、それは悪い……」
そこまで言った専務に、私は言葉を重ねた。
「では、こないだご迷惑をかけたお礼ということでいいですか? こんなもので申し訳ないですが。味の保証もありません」
そう言うと、専務はくしゃりとした笑顔をで「ありがとう」とおにぎりに手を伸ばした。