一夜の過ちで授かったら、極上御曹司に娘ごとたっぷり溺愛されています
専務が中国から帰ってきたのは、三日後だった。
初日以降は、幾分私の仕事も落ち着いていたが、まだまだ忙しく自席でお弁当を広げたとこで扉が開いた。

「ただいま」
「おつかれまでした」
目の下にはクマができ疲れた表情の専務の顔に、私はこの数日がとても忙しかったことが分かった。

「今お昼? もう14時過ぎてる」
私の席へと近づきながら、専務は自分の腕時計に視線を落とした。

「キリが悪くて。専務はもう召し上がりましたか?」
私の言葉に、専務が罰の悪そうな顔をした。

「人に言っておいて、またご自身は召し上がってないんですね?」

「まあ、バタバタしてたし、あまり空腹も感じなくてね」
ごまかす様に言った後、専務は逃げるように出て行こうとした。

「あの……何か買ってきましょうか?」
「いや、いいよ。君は早く食べて」
そう言われて食べられるほど、神経は図太くない。
< 98 / 299 >

この作品をシェア

pagetop