愛は惜しみなく与う⑤
「好きな子おるんか。素敵やな」
何も言わずに杏ちゃんは、よしよしと頭を撫でてくれた。
「あたしもさ、母親から愛なんて貰ってないねん。でも、母のように父のように育ててくれた人たちがいっぱいいる。
だからあたしは、慧にそういう安心を与えてあげれたなら嬉しいと思うし、恥ずかしいことじゃないと思う」
顔上げて?
杏ちゃんに言われて、半ば無理やり顔を上にあげられた
「慧はかっこいいよ。自信持って。もう自分に嘘つかなくていいから。もう自分を押し殺さなくていいからさ」
この優しさ
この笑顔
あったかい
俺はきっと、この温かさを与えてもらったから、本当の自分の気持ちに気づけたんだ
嘘ばっかで自分を見せずに、淡々と過ごしてきた日々に出会った
1人の女性のことが頭に浮かんだ
「ええ顔してるな」
にこりと笑い、がんばりや!そう杏ちゃんが言ってくれたその時
電話が鳴った
人が感動的で心が軽くなって、余韻に浸ってるんだから、邪魔しないでよね?
何も言わずに杏ちゃんは、よしよしと頭を撫でてくれた。
「あたしもさ、母親から愛なんて貰ってないねん。でも、母のように父のように育ててくれた人たちがいっぱいいる。
だからあたしは、慧にそういう安心を与えてあげれたなら嬉しいと思うし、恥ずかしいことじゃないと思う」
顔上げて?
杏ちゃんに言われて、半ば無理やり顔を上にあげられた
「慧はかっこいいよ。自信持って。もう自分に嘘つかなくていいから。もう自分を押し殺さなくていいからさ」
この優しさ
この笑顔
あったかい
俺はきっと、この温かさを与えてもらったから、本当の自分の気持ちに気づけたんだ
嘘ばっかで自分を見せずに、淡々と過ごしてきた日々に出会った
1人の女性のことが頭に浮かんだ
「ええ顔してるな」
にこりと笑い、がんばりや!そう杏ちゃんが言ってくれたその時
電話が鳴った
人が感動的で心が軽くなって、余韻に浸ってるんだから、邪魔しないでよね?