愛は惜しみなく与う⑤
「スコーピオンはヤバイ。特にサトルは…あいつは、化け物だよ」


サトルを…知ってるんだな



「俺があの嬢ちゃんがスコーピオンと関係があると知ったのは少ししてからだ。あの嬢ちゃんが組長を助けて合田兄弟を破門にしたとき…それで、お前らを見たとき

俺は嬉しかったよ

組長と仲直りできたお前も、1人の女に翻弄されて愛おしそうな顔をしてるお前をも…俺は嬉しかったよ

当たり前じゃねーか。

お前がガキの頃から世話してやってんだ。俺はお前が可愛くて仕方なかったよ!
お前をそんな風に優しく変えた、あの嬢ちゃんの事も俺は…気に入ってたよ。


でもな、知ってしまったんだ。スコーピオンの下の奴らが話してる内容を聞いて。あの嬢ちゃんの写真をスコーピオンの奴らが全員持っている

サトルが、嬢ちゃんをどんな手を使ってでも自分のものにしようとしてることを…


俺は知ってしまった」


やめろよ
なんだよ。責めれないじゃねーかよ

俺もハザマさんは、蕪木組の組員の中で1番よくしてもらったから

ガキの頃は親父よりも親父みたいな存在だったから


「どうして…ハザマさんが」


多分泣いたよ。この時
頭の中がゴチャゴチャになったから
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