愛は惜しみなく与う⑤
殺すんちゃう

けどこいつが…ちょっとやそっとで捕まえれる訳がない。


動けへんくなったところを捕まえる

もしそれであたしが…何か罪に問われてもいい。


覚悟はしてたから



「……ここで俺を刺せば、大事な母親は、どう思うかな」

「うっさい。結婚やめるゆうたら、襲いかかってきたとでも言うわ」

「現実にしてやろうか?」


は?


その瞬間自分を捕まえようという動きのサトルをみて、一歩下がりその手をかわす

足を振り上げればサトルも一歩下がる


「さすがに…そう簡単にはいかないか」


「あたしはあんたなんかに負けへん。あの時は…動揺してたから」


あの時は目の前の鈴を見て、完全にあたしの頭はショートしてた。
思考なんてものは無く、ただただサトルを殺してやろうという気持ちしかなかった


落ち着いている今、こいつに…こいつなんかにあたしは負けへん!!!


「動揺ね〜」


クスクス笑いサトルはポケットから携帯を取り出して操作をする。


その動作が終わるのを…
待つとかいう選択肢はない

気絶させよう。そんな勢いであたしはサトルに向かって飛びかかり、ニヤニヤ笑うその顔に…顎に思いっきり蹴りを入れようとしてた
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