へたくそなキスのままがいい
『紗和ちゃん。俺がもう少し大人になったら、覚悟しててよ』
いまにものぼせてしまいそうなくらい顔を真っ赤にして、よくあんなことが言えたと思う。
────私のファーストキスは、
あの日廉に奪われた。
いまでも忘れられるわけがない。
廉はきっと知らないでしょう?
私があの時、どれだけ驚いたか。
……どれだけ、ドキドキしてたか。
「あれ?まだ終わってないのかな」
ふと、裏口の外から聞こえたそんな声にハッと我に返った。
誰だかなんて考えなくてもわかる。
……由宇くん。