へたくそなキスのままがいい
「ねぇ、廉」
「なに」
「あの時、勘違いだなんて言ってごめんね」
不意に謝りたくなって伝えると、廉は驚いたように顔を上げた。
廉の気持ち、本当はすごく嬉しかったんだよ。
でも廉はあの頃からモテてたし、何より年上の私なんかが好きだなんてあり得ないと思ったから。
「……覚悟、したいなぁって。ちょっと思ってます」
「っ!」
だから今度は、ちゃんと。廉に向き合いたい。
「もう弟だなんて思えなくなっちゃった。……責任、とってくれる?」
少し挑発してそう言ってみると、ふっと廉の口角が上がる。
そして。