黒土。
俺は橘で、葉月ようと会話をしている。

ここは龍門山学園だ。

地方都市、龍門山市にある。
龍門山市は山岳地帯に位置する、寺院都市として発展し、いまでも中央地区には土産物屋などが多い。

転校生のリンネと話す。

「辻説法か。
たしかに太古の昔にここは森だった」

リンネがいうときには、それはなにか全体としてランドスケープ、つまり景観を観るところがあった。

リンネは制服姿のまま、土を掘る。

「黒土だな」とリンネ。
葉月ようは不思議そうな表情だ。

「黒土だね」
リンネは山岳地帯での黒土のでき方やそれがどのように農作物、さらに寺院都市、龍門山と関わるかを話した。

リンネは昔に旧家から来たらしく、それはドイツで八十年前に考えたことを踏襲しているような雰囲気があった。

リンネと俺、葉月ようは道を歩く。
帰宅するのだ。
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