パンデミック.新形コロナウイルス
世の中というものは、どこか奇妙で、冷酷なまでにシステム化されている。
学校に卒業があるように、病院にもまた「卒業」という名の強制的な区切りが存在する。どれほどその場所を愛し、そこに自分の居場所を見出していたとしても、残酷なことに年齢という数字だけでそれは引き裂かれる。
たとえ奇跡的に病を乗り越え、子どもから大人への階段を登ったとしても、ただそれだけの理由で温かな小児病棟から冷ややかな一般病棟へと放り出されてしまうのだ。
一般病棟の空気は、小児病棟とはまるで違っていた。
そこにあるのは効率と管理、そしてマニュアル通りの事務的な対応ばかり。かつて私たちが当たり前のように受けていた、あの体温を伴う優しいケアなどどこにもない。大人になったというだけで、なぜあんなにも冷たい世界に放り出されなければならないのか。その仕組みの矛盾に直面するたび、胸の奥が理不尽な怒りと寂しさとで締め付けられる。
だからこそ、私は心に決めている。
この物語の中では、そんな残酷な卒業なんて絶対にさせない。
年齢の壁なんて関係ない。システムや世間の都合のいい区切りになんて、僕たちの居場所を奪わせたりはしない。
ずっと、ずっと永遠にこの小児病棟に入院したままでいい。
世間から閉ざされたこの小さな空間で、ニコルや南ちゃん、そして明りたちと手を取り合い、他愛のない冗談を言い合いながら、生きた温もりを確かめ合い続ける。
外の世界の冷たい「大人」にならなくたっていい。
僕たちはここで、永遠の時間をいつまでも一緒に生き続けるんだ。
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