パンデミック.新形コロナウイルス
地下の病棟や院内学級の温もりを思い出すたびに、心の奥底でふと蘇る記憶がある。
それは、テレビ朝日系でかつて夜に放送されていたドラマ『電池が切れるまで』のことだ。
小児病棟の院内学級を舞台に、命の期限と向き合う子どもたちの日々が描かれていたあのドラマを、僕は毎週食い入るように見ていた。そこには、病気という残酷な現実によって外の世界から完全に閉ざされた空間が広がっていた。けれど不思議なことに、その閉ざされた病棟の中には、外の世界のどんな場所よりも濃密で、きらめくような「幸せ」の形があった。
新しい子どもが病棟にやってきて、戸惑いながらも仲間たちと心を通わせていく。痛みに涙を流しながらも、誰かのために笑い、手を取り合う子ども同士のまっすぐな人間関係。
外から見れば「不幸」のレッテルを貼られるような隔離された世界で、彼らは誰よりも鮮やかに、懸命に生きていた。
その不器用で、あまりにも尊い絆のあり方に、僕は子供心に強烈な憧れを抱いていたのだ。効率や正しさばかりを優先して、血の通ったつながりを失った現代の社会よりも、たとえ世間から閉ざされていようとも、互いの体温を求め合い、魂でぶつかり合うあの病棟のほうが、よほど「生きている」と言える場所だったからだ。
今、僕がこの場所で明りたちと過ごしている奇跡のような日々も、かつて画面の向こうで憧れたあの世界と、きっと何ひとつ変わらない。
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